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3月 2018

3月21ー25日に開催された大子まちなかアートウィークが終了しました。 これまで法人向けにアートワークの提供サービスは行ってきましたが、初めての人を巻き込んだ企画、ということで思いが強くどこから報告すべきか。。アートウィークの中で、作品展示とワークショップを企画させていただきましたが、結論から言うと、とても良いものになったと思います。 大子町で初めて開催されたアートウィークということで、全体としては今後に向けた課題等ありますが、それらはこれから行政・アーティスト・現地NPOの方々と話し合っていくとして、今回は弊社企画単体での報告です。   企画の告知情報 最初にお話しをいただいたのが1月の中旬、この時はまだ全体像が見えず、急速に動き出したのは2月中旬頃でした。そこから1か月ない中で展示作家として参加してくれた松尾さん、ワークショップ作家として参加してくれた山本さん、ほんとうに全力で答えていただきました。 ふたりの人選についてですが、概要が見えてきたときに、この二人以外には思いつかなかったというのが正直なところです。松尾さんに至っては10年間会っておらず、山本さんは制作活動でカンボジア・愛知・横浜間を忙しく移動しているところでしたが、まったく迷いなく絶対、これは松尾さんと山本さんに頼まなくてはと思い、結果快く引き受けていただけました。   まず、作品展示についてですが、準備期間は1か月。その中で、器用にいい展示空間を作れる人は、芸大を出ていればいるでしょう。 でも、これはたった5日間であっても茨城県の大子町で行う芸術祭。1か月という限られた時間の中で、まったく知らない地域の魅力を引き出すことは難しい。単発の企画として考えずに、展示作家としてまずは大子町に携わることで今後のさらなる展開を期待できる松尾さんと組みたいと思いました。ぜったい面白い動きしてくれる!と。 山本さんは、近いうちに海外に長期滞在する、という話を聞いていたので、一度一緒に仕事がしたかった、ということもありますがそれはタイミングの問題で、彼女の作る世界感がとにかく好き。本当に忙しそうな中でしたが、今回引き受けていただけて良かった、また数年後に一緒に仕事したいです。あるいはこちらが海外展開するか、どっちが早いかという勝負ですね。 さて、おふたりには特にこちらからの希望は伝えませんでした。弊社の立ち位置としてはアーティストをどうこうしようとは思っていません。才能のあるアーティストが、最大限その能力を出せるようにサポートしていくことが重要だと考えています。大子町に私(河口)が初めて行ったのは10月の終わりでしたが、そこからちょこちょこと足を運んでいたので、アーティストを連れた下見の際には、あそこのラーメン屋がおいしいだなんだ、段差踏み外して尻もちをついたり、鳥のフンの付いている柵をガッツリ掴みながら話すくらい夢中になって、大子町の魅力を伝えました。魅力を伝えるというか、行く度に発見のある、ほんとうにおもしろい町なんです、これが。 そこからは私が入り込む隙もないくらい、松尾さんも山本さんもどんどんアイディアを出して取り組んでいってくれました。本当に、人と人との調整くらいしかできる事がなかったです。結果的には、松尾さんは今後大子町で滞在制作することを見据えた自己紹介を兼ねた展示に、山本さんは大子町で拾ってきたもので布に模様をつけていく藍染め体験を考えてくれました。   展示「すこし遠くの像」 準備中と展示中の写真をご覧ください。 なんと壁も全面塗り替え、展示に相応しい空間に仕立て上げてくれました。奥の扉も外し、蜘蛛の巣だらけになっているところを掃除し・・・ ここは展示コンセプトとともに、映像の流れる空間に。来年度からのお楽しみに関わるので、展示の内容についての細かい説明はしませんが、 こちらのキャプションを読んだ時にはオカンのような気持ちになって、思わずじーんと来てしまいました。一か月の準備期間といっても、制作期間を考えるとコンセプトづくりにはほとんど時間がありませんでした、そんな中で1回目の下見であれこれ考えて、だめだー!となって2回目の下見、そんな様子を傍らでみていました。もしも解読できそうだったら、ぜひ読んでみてください♪ 期間中、ずっといられたわけではないので、芳名帳を置いていました。私が名前を書いてから1日で20人の方の署名が増えていましたが、どのくらいの方が来られたのでしょうか。まちなかアートウィーク期間中に開催されていたトークイベントの中で町民の方々と意見交換できたことや、準備中に何やってるの~と、多くの方々が話しかけてくださり、町主催の芸術祭は初開催の地で、地元の方々と交流できたことが、まずは何よりの今回の成果ではないでしょうか。今後の展開に期待!!   ワークショップ「まじゅつや」 ワークショップの会場となった大子フロントは、旧写真館。たった半日のワークショップでしたが、山本さん、暖簾を作ってくれました。 その効果は抜群で、朝イチから人が興味津々で集まってきて、 どんどん集まり、、 結果、50名以上の方々にご参加いただきました! 藍染めの緑から青にかわる「まじゅつ」のような感覚を楽しんでほしい、そして大子町でやるなら・・・、ということで、大子町で拾ってきたもので模様をつけることに。また、手ぬぐい1枚はこちらで用意していましたが、2枚目以降は持参であれば染めてよいことに。そうすると、みんな近くの呉服店で自分用の服を購入してきて、妙な一体感が生まれました。 大子町の枝、石、陶器の破片、河原に落ちてるものたちで模様をつけていきます。 こちらの女性は、貝の模様が綺麗に出ました。何を使ってどうやって模様をつけたか、参加者がお互いに話し合うという嬉しい盛り上がり! 同じ呉服店で買ってきたTシャツが並びます。 最後には参加者のみなさまと記念撮影。 北海道からやってきたお兄さん4人組、これから生まれる赤ちゃんのために10mの反物を染めに来た方、近くの町から30分かけて歩いて来られたおばあちゃん、本当に多くの方々にご参加いただきました。ワークショップはその場で直に反応を見ることができ、みなさんに、喜んでいただいて、笑顔で帰っていただいたので、良かったと思います。   さて、展示企画もワークショップもよかったと思いますが、この背後には土曜日でも下見に付き合ってくださり、当日もずっとサポートしてくださった役場の方、アートウィークの前からずっと町の情報を共有してくださった現地NPOの方、大子町で昨年から制作活動をし土壌を作ってくれていたアーティストの方、今回全力で取り組んでいただいた松尾さん、山本さん、そして何より、地元の方々。すべての方々のおかげで楽しく終えることができたと思います。 ありがとうございました! ----- ◎リンク◎ 大子まちなかアートウィーク 松尾ほなみさん 山本愛子さん

2月19日に浅草橋駅から徒歩2分のところにあるギャラリー、マキイマサルファインアーツの展示を見に行ってきました。 TUASUKIという芸大生・芸大卒業生によるアーティストグループの展示に参加させていただいたことがあるのですが、そこで知り合ったささきたくやさんの展示告知を拝見したため、今回初めて伺ってみることにしました。   展示スペースは1階と2階にあり、1階ではダンボール彫刻家の本濃研太さんの展示が行われていました。 2階は2017年6月より『Asakusabashi_next』プロジェクトと題するアーティスト・ラン・スペースとして開放されているそう。ささきたくやさん、三村梓さん、平田守さん3名の作品が展示されていました。   まず初め、目当てのささきさんの展示場所は2階の奥のスペースでした。 画材の個性を生かしたタッチで、紙も木片も自由にキャンバスにしてかわいらしい絵を描かれています。マチエル(絵具による凹凸)が強く一見抽象画のようにも見えますが、よく見るとドーナツや猫や天使が控えめに軽やかに描かれています。顔の描き方がシンプルでかわいらしい。 ささきさんは美術系ではない他大学を経て東京芸大油画専攻を卒業されています。芸大の卒業制作展示で、暗室を一部屋まるごとブラックライトを用いたインスタレーションに仕立てられていたのが印象的でした。   お次は三村梓さんの作品。今回初めて拝見しました。台湾で見た風景を水彩画に起こしたものを展示されていました。 モチーフは人々の日常、美味しそうな食べ物、きれいな景色など、素朴で身近な共感を感じるものでした。素材は紙に鉛筆やペン、水彩絵具。 無二の個性や作家性を頑張って考え出して押し出したりしなくても、シンプルに好きなものを描くこと、そしてそれを続けること。絵描きは本来それで良いんじゃないか。描くことで人と競わなくてよいのではないか、そんな当たり前の大切なことを思い出させてもらえました。 旅行記の挿絵といった感じで、イラストレーション的に魅力的なタッチでした。   続いて、平田守さんの展示。 スペースの左側に集中しているのは、西洋絵画らしい図像をモチーフに、画素数の粗いデジタル画像を切り貼りしたかのように見えるキャンバス作品。現代アートらしい、コンセプトの強さを感じる作品群でした。データのバグった絵画、とでも言いましょうか。 生で見ると粗めのドット感と色数の重なりで印刷のように薄く軽い画像なのだと認識できますが、写真に撮ってみるとものすごくリアルで重厚な写実画に見えるのが不思議。絵画と写真の関係をそこまで計算されているようで悔しいぐらいでした。 平田さんの展示右側は、スマホで見かけるニュース記事をモチーフにした作品群。情報の溢れる現代、スマートフォン、図像のあり方…込められたメッセージを色々と想像できる余地があります。 平田さんはインターネット上でお名前を拝見したことがありましたが、こういう作風なのだと今回初めて見ることができました。   最後に、マキイマサルファインアーツのメイン会場と思われる1階のギャラリーいっぱいを使ってダンボール彫刻作品を展示していた本濃研太さん。お面がほとんどでした。 写真を見ていただけると多少伝わるかと思いますが、空間の迫力が、ただただすごい。何が彼をここまでお面に駆り立てたのだろう。生い立ちを伺ってみたくなる。   お面。体を覆う衣服と違って、その人自身を認識するために最も大切な「顔」というパーツを覆うお面は、他のものに化けるだとか自分を偽った表情をする際なんかに例えに使われたりする。儀式や魔術のような禍々しく恐ろしいイメージがある。 でもどこか滑稽でユーモラスな表情の彼のお面たち。楽しい気持ちになってくる。 友人とお面を付けて写真を撮ったり遊んだりしたら大変に面白そうでした。 お面に交じって親切に鏡が設置されていました。 いろんな種類の顔があるにも関わらず、唇があるものは皺まで描かれたそこだけやけにリアルな質感なのがなんだか気になった。 ダンボールという素材の身近さ気楽さも相まって、本濃さんは思想や何よりも作ることを本当に純粋に楽しんでおられるのだろう、とその途切れない熱量を感じられました。   こちらのギャラリーは人通りの多い道に面している訳ではありませんが、道の角に建っている上にガラスの窓が大きく、中の展示の魅力を建物の外からでも垣間見ることができました。今回の本濃さんの展示のパンチとパワーがすごかったという理由もあるかも?   傾向の異なる4名の作家の作品それぞれにゆっくりと向き合うことができ、充実した鑑賞を楽しむことができました。駅からのアクセスも近くてとてもよいですし、卒業したての油画の同級生が近いうちにこちらで個展をやるそうなので、是非また伺いたいです。 ーーーーー (書き手) 清水悠子 1989年生まれ。 イラストレーターに憧れて美術を志す。東京芸大日本画専攻を目指して浪人を続けた6年目、油画専攻に転向して2014年同大学に入学。 大学での学びの中でアートと日本社会の関係に関心を持ち、MeltingPotの活動に参加し始める。代表の河口は、高校の後輩であり大学の先輩であるという、ねじれの構造。

昨日は、佐藤美術館で開催されている、平成29年度 武蔵野美術大学 大学院修士課程日本画コース修了制作展を見てきました。 今回出品されている大寺史紗さんという方に一度お会いしたことがあり、作品はその時知らなかったものの、後からSNSを通して、かなり濃い世界感を描いている方だと知り、ずっと気になっていたのです。   展示は写真撮影不可だったので、チラシ写真を。 こういった、大学の卒業制作の展示は基本的に入場無料ですが、今回はきちんとしたパンフレットも無料でいただけました。見開きで1名と、贅沢にページが使われていて、巻末に簡単な作家プロフィールが掲載されていて、良かったです。 会場となった佐藤美術館は、千駄ヶ谷駅から歩いて5分ほど。 私立美術館なのかなぁと思いつつも、公式HPには、公益財団法人佐藤国際文化育英財団により運営されているとしか書かれていないので、簡単に調べていたところwiki情報によると 「現在の公益財団法人の前身となった財団法人佐藤国際文化育英財団は、1990年3月に、第一不動産グループ創業者佐藤行雄によって、美術館の運営とともに、国内外の美術専攻学生への奨学援助や美術を通じた国際交流への貢献を目的に掲げて設立された。」 とのこと。第一不動産グループというのは既になくなっているそうですが、公益財団法人になって残っていたのですね。余談ですが、企業美術館が財団法人にする理由として、コレクションを株主から指図されないため、と、会社に万が一のことがあった場合に蒐集した美術品が離散してしまわないようにするため、ということを大学院のインタビュー研究で聞きました。今回のは、まさに後者が吉?と働いた感じですね。 ちなみに、佐藤美術館は日本画を中心に50点ほどをコレクションしていて、高山辰雄、上村松篁、小倉遊亀らの作品も含まれているようです。日本に存在する美術館は定義にもよるものの、広く数えると1000館以上もの美術館があります。個々の美術館が良いコレクションを持っていることは決して悪いことではないのですが、美術史を捉えなおすという意味でも、来館者を増やすという意味でも、日本の美術館が持つコレクションを見やすい形であつめて再構成できれば理想です。後から自国の文化を作っていく形で美術品を蒐集する東南アジアの国は、まさにそういった美術館の作り方をしています。   それはさておき!展示の内容ですが、 天井がかなり低めだったのがちょっと残念・・・。作品が大きかったので、もう少しゆったりと見れたら、と思ったものの、これは建物の作り上仕方ないですね。芸大の日本画に比べると、ムサビの日本画は薄塗り(絵具の塗りが薄い)なのだなぁという印象。もちろん、どちらが良いというわけではありません。どうしても「大学」という枠の展示だと、大学同士で比較してみてしまいます。ちなみに、多摩美はとっても大きい作品を描く印象。   今回目的であった、大寺史紗さんの作品は、和紙と墨と胡粉(白い絵具の日本バージョンだと思っていただければ)で描かれたもの。複雑な構成を、墨の深い色合いで表現していて、なかなか迫力がありました。ご本人の雰囲気やSNSの投稿からエロチズムがひとつの題材なのかなと勝手ながら想像していたのですが、実際に作品を見た時はそういう風には感じませんでした。エロを芸術へと昇華させているのか、あるいはもっとエロチズムを表現したかったけれど今回は叶わなかったのか、直接お会いしてお話しできなかったので、それは分かりませんが。ただ、大胆な伸びやかな線と、繊細な色使いは緊張感があって、これからどう作品を展開されるのか、とっても興味を持ちました。 また、もうひとつ、個人的には嬉しい出会いが。 川名春郎さんという方の作品が見ていて、どうにも引っかかり、ネット検索しまくっていたら、以前FBで誰かのタイムラインで流れてきて、なんとなくいいなと思った作品が川名さんでした。ネットからですが、写真元を記せば大丈夫でしょうか。ギャラリーなつかのHPより。gnatsuka.com/kawana-haruo-2018/ 今回の展示で出品されていた作品は、だいぶ雰囲気は違いましたが、ちょっと気になった作品というのは、自分で思っているよりも覚えているものですね。個人的には、今回出品されていたものよりも、写真の作品の方が好きなのですが、表現を模索している段階なのでしょう。今後どう発展していくのか、川名さんの作品も今後ウォッチしていきたいです。   今月は、あとは ・山梨県の清春芸術村で開催される「高橋コレクション|顔と抽象−清春白樺美術館コレクションとともに」 ・損保ジャパンFACE2018 を見に行く予定です。展示レポもそのうち。今回は展示会場で作家さんとお会いできませんでしたが、高橋コレクションの方は、作家リレーインビューの方で出品作家さんにインタビューさせていただきます。お楽しみに!

  先日、告知させていただきましたが、3月21ー25日まで、茨城県北芸術祭の開催地である大子町で5日間の芸術祭が開催されます。 多くの芸術祭が車を使っても1日ではまわりきれない規模感ですが、町並みを楽しみながらアートに触れられるような構成になっています。 さて、弊社は、作品展示とワークショップを企画させていただいています。   ワークショップは、アーティストの山本愛子さんによる、藍染め体験型アート。 一日のみの開催、その名も「まじゅつや」 布が藍に染まる工程は、とっても、不思議で魅力的なんだそうですよ。 大子町の素材を用いて、1時間程度で藍染め体験ができます。汚れていい恰好と、手を拭くタオルくらいの身軽な恰好でご参加いただけますし、天然素材のものであれば、洋服等お持ちいただけたらご自身の持ち物も染められます。 当日参加も大歓迎ですが、人数把握のためにもこちらよりお申込みされることをお願いしております。 会場がとても良い雰囲気を残した建物なので、運営側としても非常に楽しみにしております。気軽にご参加ください。常陸大子駅より徒歩3分程度の場所になります。   作品展示は、彫刻家の松尾ほなみさん。 「すこし遠くの像」 会場となる旧サロンヒグチは、茨城県北芸術祭ではアーティストの公開制作の場となっていました。今回は、壁のペンキ塗り直しなど、展示会場としての場を整えます。空間の趣とともに楽しんでいただけますと幸いです。搬入まで、あと少しとなりましたが、どのような展示空間になるでしょうか。   ワークショップ、作品展示、そしてもちろんまちなかアートウィーク全体を楽しみに、大子町までいらしていただけましたら幸いです。都心からは遠い場所になりますので、来られない方も開催報告レポートも楽しみにしていただけたらと思います。 弊社企画の宣伝ビジュアル、デザインはともに山本愛子さん。   よろしくお願い致します。    

さて、展示レポート第二弾です。 先日は、芸大日本画学部同期の佐々木敬介さん、水谷栄希さん、初めてお会いした橋本仁さんのグループ展、「code, line, sides」へ行きました。 場所は、神田にあるピナコテーカギャラリー。ホワイトキューブはありませんが、ロフトがあり、そこは黒い壁面、メインフロアはコンクリートの打ちっぱなしなので、作品数も多く置けますし、使いようによっては、いい雰囲気になります。オーナーの方がかなり宣伝をしてくださるようで、作品は結構売れるそうです。こういった情報は作家からしか得られませんが、ギャラリーによっては、「なんだか回を重ねるごとに作品が売れなくなるなぁ」とか、同じギャラリーで何度か展示をしていると、定点観測のような形で、そのギャラリーの売れ行きが分かってくるそう。もっとも、作家側の作品とお客さんの求める作品に違いが出てきているんじゃないか、という指摘もあり得ますが、後述するタグボートというネット販売では作品が飛ぶように売れていくようなので、うーん、どうなんでしょうね。 レセプションパーティーがあるということで、連絡をもらい、パーティーという名のつくものはすべからく苦手ですが、せっかくなので行ってきました。   佐々木敬介さん、水谷栄希さんは、昨年芸大日本画の修士課程を修了し、現在はフリーで作家活動をされています。橋本仁さんは、2014年に東京芸大の工芸科鍛金研究室の修士課程を修了されています。詳しい経歴は以下のHPで。直近の私の興味だと、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009に出品されていたり、鹿島建設の主催するKAJIMA彫刻コンクールで入選されているようですね。   佐々木敬介 HPはこちら 佐々木くんは、タグボートというアートの通販サイトで作品をよく売っているそうですが、タグボートといえば、先日人形町にあるタグボート開催の、アートディーラー三井一弘さんのトークイベントへ行ってきました。その話は、いずれブログででも。 パーティーが苦手で人の少ないロフトの椅子に座って休んでいたところに話しかけにきてくれて、4月に行うらしい個展の展望を色々とお話ししてくれました。壁紙から全部インスタレーションのように空間を作りたいそうで、どんな風になるのか楽しみです。 水谷栄希 HPはこちら 先日、FACE 2017 損保ジャパン日本興亜美術賞に入選されたようで、招待券いただきましたが、まだ行けていないので、3月中ということで行ってきたいと思います。損保ジャパンはゴッホのひまわりを所有していることで有名ですが、そんなこともあって、美術分野における社会貢献活動には力を入れています。 橋本仁 HPはこちら 会場に置かれているポートフォリオの作りがピカイチでした。 橋本さんは全く面識がなかったのですが、ポートフォリオをめくっていたら、見覚えのある作品が。2017年に開催された中之条ビエンナーレで見た作品でした。地域芸術祭はものすごい量の作品があるのですが、橋本さんの作品は、長距離を車で回って、へとへとになりながら最後の方に見つけた古民家で見た作品だったので、よく覚えていたのです。どちらかというと絵画的作品だったので、もともとは鍛金がメインということは全く知りませんでした。お話しさせていただいたところ、立体も平面もご本人にとっては境界はないということ。都会と地域、という発表の場も地域だったなら、自分は何を貢献できるかろうかということを考えて制作するし、どちらも自分にとっての糧ともなる、とおっしゃっていました。 とても気さくな方で、中之条では3か月くらい滞在制作をされていたそうですが、とにかく野菜が激うまだった!!!とあつく語ってくださいました。   最近は、作品を自分が覚えていて、その作家とたまたま会う、ということが増えています。そうすると、作家の方にはとても喜んでいただけるし、こちらとしても「あの作品を作られていた方ですか~!」と作品に対する信頼から出会いがあるというのはとても嬉しいことです。 これからは、パーティー嫌いとは言わずに、なるべく作家と会えるレセプションパーティーに行こうと心に誓った河口でした。(いつまで続くかな)  

☆作家リレーインタビューとは☆ 作家リレーインタビューとは、若手の芸術家を紹介でつないでいくリレー式インタビューです。緩く楽しく繋がりながら、時々作り手からはハッとするような言葉を受けとるのが最上の喜びです。始まったばかりですが、お楽しみに! 聞き手としても回を重ねるごとに成長していきたいと思います。 第1回目は、展示レポートを書かせていただいた、彫刻家、松尾ほなみさんです。松尾さんは武蔵野美術大学彫刻科、東京芸術大学修士課程彫刻研究科を卒業され、現在は武蔵野美術大学で教務補助の仕事を行いながら作家活動をされています。 展示レポートはこちら   インタビューの経緯 松尾さんは、栃木県の小砂地区の森の中で、過去2回にわたって、彫刻作品を作っています。先日現地を見に行ってきました。 この童話のような世界感に惹かれ、2018年度は、茨城県大子町の森でどのようなことができるか一緒に考えさせていただいてます。先日一緒に、下見に行き、制作にいい場所を発見されたようです。同じ森の中に彫刻、とは言っても、植生によって違ったりするので、それぞれの地域で何ができるかを考えます。アトリエを出て、都会を出て作品を展開している松尾さん、どんなことがきけるのか楽しみです。そんなこともあって、一回目のインタビューに応じていただきました。 それでは、早速インタビューにいってみましょう!   まず、作品制作におけるコンセプトについて教えてください。 私の作品は時間を経て出来上がった素材を様々な形に置き換えることでできています。 例えば林の中にいる時は、生えている木に人を彫ることで、そこにはない雑踏の雰囲気を再現します。 またある時は自分の大好きな漫画の本を固めて人工の木のような塊をつくり、そこに古代の神像を形づくります。 硬く重たいイメージのある石があれば、肉のような柔らかいぬいぐるみの形を彫ります。 私が目指していることは、何でつくるのかと何をつくるのかの組み合わせで、常識と違和感の間に立てるような作品をつくることです。   学部は武蔵野美術大学(以下、ムサビ)から修士は東京芸術大学(以下、芸大)へ進学されましたね。どういった経緯があったのでしょうか。 学部と修士で場所を変えたのは、環境を変えるためでした。 武蔵美では講評の機会が多く、人の作品を見ることや自分の作品を見てもらうことで作品について考える力が身に付きました。また、作家として彫刻家としての考え方の芯を持つように鍛えられたように感じます。その後、一つの素材を扱う技術をしっかり身に着けたいと思い、芸大の院に進みました。そこではひたすら制作に没頭することができました。 他にも違う点で言えば、武蔵美は学校の施設が充実していました。自分の想像した形があり、技術さえ身についていればいくらでも作れる環境がありました。芸大はテントを立てたり、自分の制作スペースを作るところから始めなければいけませんでした。アトリエの環境を一から整える方法を考えることにつながり、これは大学卒業後作家活動を続けるにあたって良い経験だったと思っています。大学にはそれぞれ特徴があるので、どちらがいいというのではなく、それぞれの場所で得られるものを大切にしたいと感じています。   かなり有意義に大学という環境を使えたようですね。今振り返ってみると美大とは、どのような場所であったと考えますか。 さきほどの話と少し被りますが、美大はこれから作家として生きる礎を築いた場所です。美大は制作することを許された場所でしたが、社会はそうではありません。そうすると、どうしても時間・環境・お金に対する考え方がけちけちしてきてしまう時もあると思うんです。その時に、学生の時にのびのびと、自由に制作していたことを思い出します。大学は自分にとっては初心に戻るために心の中にとっておく場所として考えています。   次は、大学卒業後についてお話を伺いたいと思います。私も今日お話しするまで知らなかったのですが、卒業後一年目は中学校の先生をされていたんですよね。 はい。神奈川で中学生の美術の専任講師になって、副担任を受け持ったりもしました。   それは忙しかったでしょうね。作家活動はできましたか? いえ、、全くできませんでした。でも、だからこそ大切な1年になったと思っています。実は制作しようと思えば出来ないわけではなかったんです。時間もありましたし。時間はあるし、頭の隅では制作しなきゃ、と思っているのに家に帰るとぼーっとテレビとか見ちゃうんです。そして、今まで人に嫉妬することなんてなかったのに、同年代で活躍してる人に対してもそうですし、中学生に対してさえも嫉妬していました(笑)。「美術の時間」という作っていいよ!と言われている時間を受け取っている彼らが羨ましかったですね。おそらく彼らの持っている才能や自分にはない未来にも。 この時期はどうしても制作活動をする気にはならなくて、ひたすら新聞記事のスクラップを作っていました。自分は何に対して興味を持っているんだろう、ということだけは記録しておこうと思って。見ますか?暗いですよ。(実際に見させていただくと、悲報の切り抜き、なんとか美術に繋がってたいからと美術に関する記事の切り抜き、本来は憧れの的のはずなのに見る度に自分は比較して何をやっているんだろうと思うためのアスリートの活躍記事の切り抜き…心境を語りながら見せてくださって、、膨大な量でした)   かなり苦しそうですね(笑)。松尾さんは教員を1年で辞められました。当初は作家を目指しつつも、教員に重心が傾いていく人も多いと思うんですが、2年目からは完全に作家としてやっていこうと思いなおしたのには、どのような経緯があったのでしょうか? 今まで、制作することが当たり前の環境にいたので、制作抜きの人生なんて考えたことがなかったんですよ。それが、1年間なにも作らなくても生きられた。とてもショックでしたね、自分に対して(笑)。 あとは、専任講師だったので、作品を売ることができなかったんです。その時に初めて、あぁ私は作品を売りたいんだ、作品で認められたいんだと気づきました。それからは、ちょうど運よく武蔵美で仕事を見つけられて、4月に東京に戻り、アトリエも大学時に借りていたところに戻って制作活動を再開しました。やはり1年のブランクがあったので、何を作ればいいか分からなくなり、無理やり展示や滞在制作の予定を入れました。そこからはとにかく出来ることをやっています。 教員という肩書もなくなったので、社会的に見たらぷーたろう状態で、人の目が全く気にならないと言えば嘘になりますが、一番大切なプライドは自分の作品に対するプライドですから、そこだけは絶対に揺るがないように、それ以外は二の次に考えています。   作家としては、まだ始まったばかりということだと思いますが、これからどのように発展していこうと考えていますか。 正直、大学を出ての制作活動はまだ1年目なので手探り状態ですが、これからも東京近辺で展示を行いながら、1年に1回は外部と関わりを持つプロジェクトをスケジュールに組み込んでいく予定です。今まで、栃木の森の中で木彫を行いましたし、それはこれからも続けたいと思っています。自分の作品を様々な地域に置いていくことには興味があります。作る間はとても思い入れがありますが、その後は作品を現地の方々が守ってくださっていて、その土地の空気を吸いながら作品も時間の経過とともに少しずつ変化するのだと思います。   日本で活動すること(場所)の意味について考えていることはありますか。 はい。どこで発表するか、はとても大切です。特に自分の場合は素材を活かしていきたいので、自分の持ち味を一番発揮できる、作品の需要があるところで発表していきたいです。海外でプロジェクトを行ってみたいという思いはありますが、まだまだやってないこと、やりたいことが日本でありますし、まだ成長できると思っているので、あと2,3年は日本にいたいです。日本人なのに日本の文化をまだ知らないですし。 あと、場所ではないですが、自分はモノ(素材)を扱うことからから逃れられないと思うんです。そこは意識して作品を作っていきたいですね。   最後に、これから様々な作家にインタビューを行っていく中で興味があることがあるのですが、こだわりの道具を教えていただけますか。 ふたつあります。 切り出しナイフ これは大学に入ってすぐに、授業で使うために買ったものです。小刀の形がシンプルで一目で気に入りました。最初は道具の手入れの仕方がわからず、すぐサビだらけにして使えなくしてしまいました。後になってサビのつかない工夫をしたりたまに研ぐようにしたところ使い勝手が良くなり、ちょっとしたものを切る時にとても便利なことに気付きました。最近は紙を積層させたものを切るのによく使います。小さいながらとてもいい仕事をしてくれてます。   鉄ベラ 石を削ったり、磨くために使う道具です。御徒町の道具屋で買いました。ヘラの先におろし金のような突起がついていて、小さくても造りがいいのででかなり長持ちします。すんなりした形が手によく馴染み、これを持つだけでなんとなく気持ちが落ち着きます。石をやっているときには細かい形を作るのに助けられるだけでなく、たまに他の素材にも使えるなと、ちょこちょこ出番がくる道具です。 あ、あとは道具ではないですが、、自分の気になったものや言葉を記録し続けているノートがあります。浪人時代からずっと続けているので、何十冊も部屋に積みあがっています。もしかしたらこれこそ、お気に入りの道具?かもしれません(笑) 見てみたいです。(笑) ***** ***** ***** ***** ***** 初のインタビューで聞き手として不慣れなにも関わらず、楽しく応じていただけました。さて、次に紹介していただける作家さんとお話しできることが楽しみです! インタビューのクオリティも少しずつ高くしていけるように頑張ります。 松尾さん、長々と、ありがとうございました!

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