展示レポート

展示レポート Vol.1

2018/03/20

1月の末に、松尾ほなみ展「▶」へ行きました。
場所は新宿眼科画廊です。

新宿眼科画廊、以前から知ってはいたのですが、名前からしてサブカル臭がすごく(実際そういう展示もある)、なんとなく敬遠していたのですが、今回は10年来の知人の展示ということで行ってきました。都営大江戸線、東新宿駅から少し歩きますが、大通りに沿ってしばらく歩けばよいので、辿り着きやすいです。

松尾ほなみさんは、2016年に東京藝術大学修士課程彫刻専攻修了し、現在は東京を拠点に彫刻作品の制作を行っていらっしゃいます。

HP:https://www.honamimatsuo.com/

栃木の方で滞在制作活動を行った経験もあり、今後地域でのアートプロジェクトも様々行っていく身としてメッセンジャーでちょこちょこ連絡はとっていましたが、実際にお会いするのは美術予備校以来、それこそ10年ぶりくらいです。(美大も、一般大と同じくお作法的な部分があるので、ほとんどの人が予備校に通います。)

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松尾さん!展示に伺う日の午前中に連絡したら、在廊していない、とのことだったんですが、行ってみたらいました。ラッキー。

さて、ご本人のウェブサイトを見ていただければ分かるように、木や石などの素材を使って制作されているのですが、今回は少し面白い素材でした。分かりますか?

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週刊誌ジャンプなんですね。拾ってきたり、ヤフオクで安く買ったりしているみたいです。しかも、これ、とっても圧縮されているように見えますが、実は一枚一枚手で糊で貼り付けているのだそうです。プレス機を使っているのかと思ったのですが、一般的なプレス機は上下の力しか与えられないのですが、このように木の年輪と同じような渦巻き型にしようと思うと、手で貼り付けていくしか今のところ方法が思いつかないそう。とはいっても、そんなに力を入れなくても、紙が波打ってくるところを丁寧に貼って行くと、キュッキュッっと力を少し入れる程度でこの圧縮感が出るそうです。ちなみに、ジャンプの塊ができると、あとは木彫とまったく同じように彫刻刀で削っていくことで形を作れるそう、作品触らせてもらいましたが、硬いんだけれども、同時に柔らかさも感じて、ちょっと不思議な感じでした。

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木の年輪みたいな、これも作品。確かにこれはプレス機だと作れない。



画材崇拝型の専攻出身者(本コラムの執筆者、河口は芸大日本画卒)としては、素材の話は若干アレルギーありますが、素材そのものを作品にしていく彫刻家の話は、岩絵の具に固執する現代日本画とは姿勢がだいぶ違うように感じます。

大学で木を彫り、石を削り、と作品を作っていく中で、自分は自然の中で時間をかけてここまで形成された、すごいものに手を入れているんだなぁという感触を持ったそうで、今度は素材そのものを作ってみたいという興味から、このような作品形態になったそうです。素材を抜きにしても、作品は心を打つ暖かさのあるものでした。




松尾ほなみ

https://www.honamimatsuo.com/

1990年 千葉県出身

2014年 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業

2016年 東京藝術大学修士課程彫刻専攻修了

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